本日この記事を書いているのは11月4日、TPP批准がされるかもしれない日ですので、この機会に改めて「国家主権ってなんやろう？」とおさらいしてみたいと思います。

国家主権を論じるには、まず国家とは何か？について書かねばなりません。では国家とは何か？

特に近代国家とは様々な要因、要素から生じたものなのですけれども、一つには「まとまらないと、他国から蹂躙される、不利益な協定を結ばされる」というのが日本の近代国家化の一番大きな要因でしょう。

黒船の来航から始まり、明治維新、明治政府の樹立、伊藤博文の殖産興業での近代化を目指し、不平等条約を小村寿太郎が改正し、臥薪嘗胆、富国強兵で欧米列強と渡り合えるようになった、これが日本の近代国家化の大まかな道筋です。

つまり外国に不平等な条約を押し付けられたり、自国が弱いからと当時の清のように植民地化されたり租界が作られたり、そういった事態を避けるために日本の多くの志士たちが奔走し、尊皇攘夷を誓ったのが日本というわけです。

明治維新は司馬遼太郎によって「開国派VS攘夷派」として書かれますが、あれは明確な間違いで、実際に日本の歴史を見てみると「開国して技術力を高め、工業を強くして自主独立を打ち立てる」という方向性なので、鎖国派にしても開国派にしても尊皇攘夷の人たちはいたんですね。

さて先人たちの多大な苦労と努力、まさに血と汗によって気づき上げられた近代日本ですが、最近の「流行」は「日本は大事だ！国家は大事だ！」と言いながら、国家を売り払うことらしいです。

主権とは「自分たちで自分たちのことは決められる」ということでして、国家主権とは「日本のことは日本で決める」という話であり、それは自主独立という話のはずです。

日本のことを日本人が決められなくなると、民主主義だ！とか何とか言っても無意味なんですね。

TPPは条約によって主権を制限する話です。

移民だってドイツや欧州の現状を見てみれば、現象的には「人道の立場から移民さんに良くしてあげなきゃ！」的な感情論に足を取られて、自分たちのことを決めることが不可能になっております。

国家主権や自主独立という気概を忘れた似非保守は、やれ中国が脅威だから中国包囲網でTPPだ、やれ少子高齢化だから移民は仕方がないのだ、やれ成長できないから緊縮財政でプライマリーバランスだと、まさに堤未果氏の仰る「今だけ、金だけ、自分だけ」という非常にみすぼらしいド近眼なことしか言わないわけです。

どうも安倍総理や似非保守は「短期的に(自分たちが助かるような)正しい政策は、長期でもきっと良いはず！」と思っているみたいです。ため息しか出ません。

それが真であるならば、軍事における軍事学、戦略なんてものは必要ないですわな。何故それが必要か？についてすら考えが及ばないようです。

TPPでアメリカ様に媚び売って助けてもらうのだ！移民で移民様を日本に輸入して少子高齢化を解決してもらうのだ！

・・・・・・お前は怪しい新興宗教で壺を売りつけられる間抜けやな？と言いたくなります。

例えば家族でお母さんが、怪しい新興宗教にハマって

「◯◯様のお告げによると、我が家はこうするべきだ！」

とか言い始めたら

「いやいやいやいや・・・・・いい加減目を覚ましーや！」

と言うでしょう。家族のことは家族で決める、それが当たり前だからです。

日本のことは日本で決める、そんな「当たり前の常識」が日本から失われているのだ、そしておおよそそれは「新自由主義」と呼ばれる空気、宗教が蔓延しているからだと思います。

私は個人的には2009年か2008年だったかの、麻生総理の所信表明演説が今でも耳に残っています。

「私は日本人の底力を信じております！」

安倍総理、貴方は日本人の力なんぞこれっぽっちも信じてないんじゃないですか？

国家主権とはなんだろうか？