次から次へと頭の痛いことをやってくれる安倍政権です。

外国人技能実習法案賛成多数で衆院通過(毎日新聞)

記事によると「日本の技術を学ぶ外国人の受け入れの法案」なんだそうですけど、ちょっとまって欲しい(朝日風)

安倍総理？貴方は「高度人材を入れるんです！外国人材の活用です！」とか言ってましたけど、蓋を開けてみればそんなものはほとんど存在せず、というよりも想定しておらず、やっぱり「安く使える外国人に技術を学ばせて使う」って法案じゃないんでしょうか。

※ついでに安倍政権になってから5～6万人も外国人実習生が増えて、過去最高の21万人ですってよ。

その建前と本音を報道、実際の法律から見ていきましょう。法案によるとこうです。

『第一条　この法律は、技能実習に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、技能実習計画の認定及び監理団体の許可の制度を設けること等により、出入国管理及び難民認定法（昭和二十六年政令第三百十九号。次条及び第四十八条第一項において「入管法」という。）その他の出入国に関する法令及び労働基準法（昭和二十二年法律第四十九号）、労働安全衛生法（昭和四十七年法律第五十七号）その他の労働に関する法令と相まって、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図り、もって人材育成を通じた開発途上地域等への技能、技術又は知識（以下「技能等」という。）の移転による国際協力を推進することを目的とする。』

ようするにこの法案は「発展途上国への技術支援、移転を目的として、国際協力を推進する」のが体裁上の目的です。

そしてこの法案の成立で重要なことは「優良と認められた雇用先では、3年→5年に延長できる」というおかしな点です。

だってそうでしょう？本来国際協力のための技術指導なのであれば、優良と認められる「外国人実習生」に対して、延長が有るべきであり、実習先の労働環境が優良だったら延長を許可するというのは、おかしな話でしょう？

「外国人を日本に入れたい！安くて使える移民欲しい！」って本音がここからちらほら見えますね。

外国人技能実習の適正化法案、可決　監督強化へ　衆院委(朝日新聞)

ログインしないと全文読めないのですけど、こちらのほうがよりまとまっていて、分かりやすいかもしれません。

ほうほう、入管の強化などをするんだったらいいんじゃないか？とか思いますけど、まず最初の建前を思い出してくださいね。

「発展途上国向けに技術支援、移転をするという国際協力」なんですよね？この法案。

http://www.moj.go.jp/content/001128653.pdf

技能実習制度に関する基礎資料(法務省)

これの19ページ目によりますと案の定、中国人が7割でございます。

あの～そもそも中国って発展途上国なんですか？世界第2位の経済大国でございますけれども。

しかも南沙諸島、尖閣諸島と日本のシーレーンを脅かす「仮想敵国」ですよ？それに対して「技術、知識の移転」ってアホですか？

さらに同ページによりますと、殆どの受け入れ先は中小零細企業でございまして、日本の中小零細企業の中にはコアな技術を持っている企業もたくさんあると聞きます。

国防上、大丈夫なんですかね？

中韓に技術をパクられまくり、盗まれまくって造船、白物家電等々において、日本企業が苦戦して敗れた過去を忘れて、何やってんですか？大盤振る舞いですか？売国奴ですか？

しかもですよ、もう少し言わせていただければ、デフレにおいて投資が振るわず、ただでさえ技術が虎の子になっているのに、それを仮想敵国に教えてあげるって、お花畑を一周してお花畑ですか？っていうね。

日本は中国人留学生にも「学費全額”供与”」して「国際交流だ！」とかやっているそうです。

※全中国人留学生のうちの数%で1500人ほどと記憶しておりますけど、じゃぁそれ以上の日本人大学生に「学費全額免除で優秀だから通わせる」とかしてるんですか？っていうと、どうも日本人の学生には貸付なんだそうで。あっはっは・・・ふざくんな！

企業の経営者が「だいぶ仕事に研修生が慣れてきて、戦力になるから！」と期間の延長を求めるであろうことは、三橋氏のブログで指摘されております。

私の方ではそれ以上に深刻な指摘を一つしておきたいと思います。

日本はTPPにしろ、今回の外国人実習生制度にしろ、他国からの圧力でやらされているわけではなく、むしろ自国から進んで「亡国」をしているようにしか見えません。

TPPにしたって、本当に日本がアメリカの従属国であるなら、安倍政権は国会であんなに真剣に批准する！なんて言わないわけです。

外国人実習生の制度だって、1993年といえば確かにソビエト崩壊で「中国とも意思疎通ができるかも」という期待があった、ということは否定しません。

しかしODAや外国人技能実習制度を通じて支援し、さらには13億人のマーケットとか言って日本企業が進出した結果、技術は盗まれ、GDPでは追い抜かれ、尖閣諸島でちょっかいを出され、南沙諸島でシーレーンを脅かされる始末です。

かの、過激なまでに現実を直視し解釈し、そして残酷なまでに実践主義者であり、「君主論」を時の王に上奏し禁書になった稀代の思想家、マキャベリの言葉を引用して締めくくりましょう。

「隣国を援助する国は滅びる」

遠交近攻、とも言われる通り、隣国なんて「仲が悪くて当たり前、ギスギスしていて当たり前」でして、隣国と「仲良くしよう、きっと分かり合えるはず」なんてのはアニメの世界だけであり、フィクションです。

要するに日本は1990年代から政府もエリートも経済界もマスメディアも、あらゆるものが「お花畑」であり、そしてまだお花畑を続けているってわけですねっと。

P.S

あのですね・・・ずっと前にも書いたんですけど、せめて政治家はマキャベリ、クラウゼヴィッツ程度は読んで、国際関係を考えてほしいんですけど。

安倍総理の「地球儀外交！」なんて、意識高い系のアホでも言うことですわ。あ、安倍総理は意識高い系総理かもしれない。

外国人技能実習法案の衆院通過